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2019.1 静岡大学100のワークショップの講師として

お招きいただき、”暗がりを愉しむ”講座を開催させていただきました。

 

場所は「中勘助文学記念館」

静岡大学の先生方、コーディネーターの方々のご尽力により

文化財を借り切っての開催!

夏目漱石の弟子であり谷崎潤一郎と同時代に文壇で活躍した中勘助の

記念館は厳かで静かで上質な空間でした。

 

とても静かな記念館

 

中勘助氏

 

夏目漱石の書

 

夜の佇まい 

 

 

スケジュールは4時間・・・。長い。。

参加いただく皆さんに何を伝えるべきかとても悩みました。

つまならい講義じゃ4時間は苦痛でしかないですもん。

楽しくなきゃ!と

 

私が暗がりと灯りにワクワクする感情をそのままに、

アカデミックというより参加者の感性に訴えるものにしようと。

思い切り振り切っていきました。

 

 

 

 

  思い切った陰影空間に。

 

 

  舞台照明の機材も持ち込む。

 

  陰翳礼讃の体験。

 

 

 ものを照らす 実習

 

 

レフ版体験

 

照明体験

 

 

 中勘助が小説を書いたとされる場所にて。(・・贅沢です)

 

 

 

 

 

中勘助の代表作「銀の匙」(実物)を照らす (贅沢です・・)

 

銀の匙をミニスポットライトで照らす。

 

 

夏目漱石が中勘助に宛てた手紙、を照らす(調光演色LED) 贅沢ーー!!!

 

セミナー後半は灯り制作実習。

 

発表の様子(皆さんプレゼンが上手!)

 

 

生徒さんの作品

 

 

影のデザイン

 

 

全員の作品を屋外(庭)に展示

 

 

 

異様な熱気に包まれた記念館。

偶然にも、外はスーパームーンの満月でした。

 

これを”暗闇効果”というのでしょう。

暗闇が心の距離を縮める効果。

肩を寄せ合い、膝をつき合わせて、いつもより皆の距離が縮まったと

感じています。

 

そして、皆が夜を支配する共犯者のように

光と闇の可能性を追求しながら

ワイワイガヤガヤと4時間があっという間に

過ぎ去っていったのでした! 静岡大の3名の教授までもが

暗がりの中では少年のような笑顔になっていたのも印象的。

 

 

知識・ウンチクを教えるよりも

光と闇を感じることを優先した4時間。

心に感じたことを土産に持ち帰ってくれたなら

嬉しいです。

 

 

必要なところに、必要な灯りを。

 

 

不要なものを思い切って捨て去ると

残るものが生き生きと感じられる。

光を奪われると視覚以外の感覚が冴え渡る。

 

暗がりがそのヒントを

与えてくれたように感じました。

 

 

 

静岡大の関係の皆さま、中勘助文学記念館の皆さま

そして、私をこの場につなげて下さったデザイナーの繁田さん、

本当にお世話になりました。心から感謝しています。