マンションリノベーション 他2件 23
建具屋のお施主邸
建具、建材はお施主さんが制作、照明との合作で
新しいチャレンジを色々とさせていただきました。
まずは廊下。
マンションの天高２２００の廊下を解体。ヒノキ材で天井と廊下を挟み込みように
デザイン。等間隔でスリットを設けていただきました。
照明はFeel Labオリジナル。調光式です。
スリットから光が優しく降りてくるようにしてあります。
一般的なマンションは廊下が空間の中心に配置されるため、廊下の灯りは案外重要です。
廊下から広がる灯りを入れることで、各部屋にも光が少しずつ廻り、
空間全体が上質で華やいだ印象となります。
エントランスから見る廊下。奥行き感が感じられます。
天井のスリット部から差す光（調光式）
廊下の先には欄間が造作されています。
マンション天井には、大抵の場合配管ダクトが走っており、天井に角ばった出張りが
存在します。
お施主様と相談しながら、この出張りを利用して欄間を構成することに。
欄間の建具はお施主様の制作、上質な風合いです。中に灯りを入れることを前提に
デザインされています。
廊下の上部に欄間を構成。欄間は調光式の間接照明（Feel Labオリジナル）。
空間を彩る欄間
欄間の灯りがリビングルームの天井に伸び、夜間はこの灯りだけで
過ごすこともできます。柔らかな照明空間です。
理想的な間接照明となりました
リビングは照明の存在を出来るだけ消しています。天井と壁を極力すっきりさせ
左官仕上げを生かすようにしました。
写真下の背面壁はオリジナルの間接照明。全長４．５ｍ。
照明を消すと白い左官壁に溶け込むようにしました。
リビングの間接照明（調光式）
照明の表面は壁と同系色で塗装しています
この照明を制作するにあたり、壁との距離、光の強さ、角度を
何度も実験しながら構成を決めていきました。
ＬＥＤの間接照明は発光部の周辺だけが強く光ってしまいがちです。
私は間接照明を制作する際、しっとり壁や天井に馴染むように
最新の注意を払っています。
夕焼けの空のような綺麗なグラデーションをイメージしています。
ギャラリースペースにも同様の間接照明を設けています。
こちらは無垢の楢材で制作。外光と混ざって綺麗な光壁となっています。
ギャラリー
楢材の間接照明（調光式）
寝室は桐の無垢材だけで出来た贅沢な設え。
照明は桐が美しく見えるよう色調を調整しました。
照明の木材部をお施主様が制作、私が照明を仕込んだ合作品です。
ベッド上から照明を操作出来るようになっています。
寝室の照明（調光式）
真鍮の調光ツマミ（Feel Labオリジナル）
夜は光が部屋全体に回ります
キッチンは背面のシェルフ＋照明をお施主様と合作。
すっきりとした奥行き感が感じられます。
キッチンシェルフ照明
キッチンと廊下のバランスも良い感じに。
洗面台の照明はミラーの両サイドから照らす
ハリウッドタイプ。
既製の照明を使うと存在感が出すぎてしまうため
こちらも造作しました。
両サイドからの照明で顔が立体的に、ふくよかに見えます。
お施主様からもご好評をいただきました。
顔が立体的に見える照明。
。
本案件は、インテリアコーディネーターでも在られるお施主様が
ご自身で空間を設計をしておられます。使用される木材も大変上質で
建具も自社で制作するという力の入ったものでした。
デザイン検討や照明実験などのフェーズでは、これまでの常識にとらわれず
良いものを作りたいというお客様の思いに共感し、プレッシャーを感じることも
ありましたが良いものづくりが出来たと感じています。
現場打合せの様子。
建具屋さんの合作照明はとても刺激的！
良い木材がふんだんに使われているのもありますが、
それぞれが手間を惜しまず想いを込めた感じが
出来上がった作品からにじみ出ており、モノを生み出すという幸せを
あらためて感じさせて実感頂きました。
完成した空間はしっとりと上質。
斬新な面もあって個性が際立っており、これらが共存する
特徴的な仕上がりに。
マンションリノベーションの可能性を感じます。
余談ですが、
出来上がった空間で、暮れ行く時間帯に照明を付けたり消したり
パチパチするのが、私は大好きです、至福の時笑
パチパチ、パチパチ、・・・・う～ん、幸せ。
心の中でつぶやき
現場を終えました。
